りとすら

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イノセンス―トラバを踏まえて―その一

ありがたい事にトラバが成されていたのでそれを踏まえてもう一考。

現実と虚構の壁の崩壊 世界が終わるのを

よくよく考えてみれば
現実と虚構の壁の無力化はアヴァロンで描かれていたし、
イノセンスを考える上でうる星も無視できない。


以前、このサイトでも喋ったかと思うが自分は
「現実が虚構を支えてるんじゃなくて、虚構が現実を支えてる」
と思う。
それは自分が漫画を読んでるときにより感じるんだが
「現実を超えるリアリティの存在」ということだ。

今売れている少年漫画やガンガン系の漫画では
完全なる虚構、ファンタジーとして世界が構築されている。
そこにリアリティはない。

もともと我々の感知できる現実なんて
その人一人にとってのリアルの一側面
無限に存在するリアルのある断片だ。
「世界は自分を中心にしか廻らない」

それを踏まえた上で「一人の人間が感じる事のできる現実、リアルの一側面を超える
虚構世界の抽象的なリアリティの世界」はイデア界とでも言おうか
現実を超えるもの、概念的な雰囲気が確かに感じ取れる。

それらをオシイの視点から再構成してみたのがイノセンスであるだろうし、
それの完成にCG技術ナシでは到達できなかっただろう。

現実を超えるリアリティがそこには確かに息づいてる。

そう考えると全てが入れ子、マトリョーシカ構造になっているのかもしれない。
リアルを頂点にしたシミュラークル東浩紀)上に存在しているのかもしれないというわけだ。

我々が生きている今日は、圧倒的ニヒリズムのなかにあり、
全てのヒエラルキーが表層的に崩壊している日本という素質があって始めてコレを受け入れられると思う。

我々の立っている足場さえ揺らいでいる事を再認識させてくれる良作なのだろう。
まぁ文句はイッパイあるが別の機会にでも。