りとすら

書きたいことがあんまりありません

ビールを飲むというリアリティ  村上春樹「風の歌を聴け」

何かを持ってるやつはいつか失くすんじゃないかとビクついてるし、
何も持ってないやつは永遠に何も持てないんじゃないかと心配してる。みんな同じさ。
―――村上春樹風の歌を聴け

1982年にこの文庫が出された事を考えると、バブルに嫌気がさしていたんじゃないかな。

「彼の小説のいいところはセックスのないところと、誰も死なない事だ。」

今ではもう彼の作風は洗練されていて主張なんてヤボったいものはなくなっているんだけど、この作品においては作者のイラツキがちらほら見え隠れしていて新しい。

イライラしながら同じようなところをグルグル回っているだけで、悲しい事の繰り返しを避ける事ができない。でも前向きなんだよね…