ネタばれ注意。前の2つの続き。
4、パス
5、出てくる犬だが、オシイの犬好きを無視すると、
人工的に作られた初めての犬ということが大きい。
バトー自体もほとんどが人工物になってしまっている。
アンドロイド>サイボーグ=犬>人間
という構図なのかもしれない。
バトーの苦悩を表しているのだろう。
また、少佐がいない心の穴を埋めているとも考えられる。
6、数少ない攻殻(原作)らしいシーン。
また、荒巻の唯一の活躍(と言っても台詞だけだが)シーン
荒巻は
「バトーを見ていると、失踪前の少佐を思い出す」
「シーザーを知るのに、シーザーである必要はない」
「人はおおむね自分で思うほどには幸福でも不幸でもない
肝心なのは望んだり生きたりする事に飽きない事だ」
(ラ・ロシュフーコー『箴言と考察』、
ロマン・ロラン『ジャン・クリストフ』を混ぜた)
[これを聞いてハンターハンターのクラピカを連想した]
「孤独に歩め…悪をなさず、求めるところは少なく…
林の中の象のように」
(『ブッダの感興の言葉』より。
前文は「愚かな者を伴侶にすることなかれ」である)
この台詞は後で少佐も発言する。
と名言(?)を連発(ほとんどが引用)。
トグサはバトーにいきなり撃たないように念を押すが、
同じ境遇(人間とロボットの間である事によるアイデンティティの希薄化)
にいた少佐がいなくなっている事から感情が不安定になっているのかもしれない。
7、完全なるアクションシーン。
難解な台詞はない。
攻殻らしい電脳ハックも見られる。
戦闘では経験の豊かなバトーが前衛をやるのかと思ったが、
体のでかさからトグサが先行する。
しかし、唯一残っていた組長の投げた手榴弾のせいで
結局バトーが全部行う。
手榴弾で走馬灯でもよぎったのかトグサは
「娘と妻の顔が頭をよぎる」と、かっこ悪い台詞を吐く。
ここがトグサが一番人間らしいシーンでもあるだろう。
それに対しバトーは
「それを死神って言うんだよ」と冷徹に返す。
戦闘の経験値が全然違うから仕方のないことだが
どうやらバトーは死の恐怖なんてものはないらしい。
それより自分がどこにいるのかわからない方が問題なのだろう。
続きは次回。