りとすら

書きたいことがあんまりありません

流行ネタを使ったところで、やっぱりフィンチャ―作品でしかなかった―――『ソーシャル・ネットワーク』

 日本メディアでの宣伝が「SNSってあるよね。若い人は知ってるけど、いろいろ社会問題も引き起こしてるんだよ!そんなネットワークでの新しい広がりを題材にした映画だから、知らない人は見た方が良いよ!知らないと時代に乗り遅れるよ!」ってノリなので、ビジネスサクセスストーリーなのかなぁ。プロジェクトXみたいなもんかぁ。って見に行ったら、期待を大きく裏切られた。youtubeを世間に知らしめた、尖閣諸島ビデオと同じノリで宣伝しちゃあかんぜ・・・


 どこをどう見ても、デイヴィッド・フィンチャ―の作品だったのです。 「ファイト・クラブ」しか見たことないけど、思い出すと未だに衝撃的で刺激的な映画です。 


 そう、別にこの映画、ドキュメンタリーでもなんでもなかったと思った方が正しい。だってさ、創業者のマークのインタビュー見たら、こんなんだもん。 作中とイメージ違ぇ・・・


 主人公に感情移入しづらいから、見づらい。なので評価分かれる。*1
 天才的な主人公マークの私怨ともいえる行動原理。
 社交的で友人も多い共同創業者エドゥアルドは、マークの意思にそぐわないからという理由で切られる。
 大学の社交界にいる双子の兄弟は踏み台にされる。
 マークはナップスターのショーンから影響を受け、ビジネス拡大のための意思を強くする。


 主人公の感情が非常に見えづらく、ビジネスのことしか目にないのか、私怨だけで動いているのか、判断が最後までつかないように作られている。それがこの映画の深いところ。面白いところ。


 個人的に一番楽しかったのは、ナップスター創業者のショーン。ジャスティン・ティンバーレイクが演じてる、この役が一番しびれた。パラノイアで。

*1:ちなみに字幕版は会話量の多さに辟易するらしいです。押井守好きとしては理解できる範囲でしたけどw