弟が観にいくというので、お供して渋谷まで観にいった。
とても完成度が高い、笑いあり涙あり。
アカデミー作品賞受賞作「ミリオンダラー・ベイビー」以来4年ぶりとなるクリント・イーストウッド監督・主演作。
朝鮮戦争の従軍経験を持つ元自動車工ウォルト・コワルスキーは、妻に先立たれ、愛車“グラン・トリノ”や愛犬と孤独に暮らすだけの日々を送っていた。そんな彼の隣家にモン族の少年タオの一家が越してくる。ある事件をきっかけにして心を通わせ始めたウォルトとタオだったが、タオを仲間に引き入れようとする不良グループが2人の関係を脅かし始め……。
幕の引き方が深イイ。というか人生の幕の下ろし方として、ハードボイルド。
アメリカンジョークが満載で劇場も笑いに満ちていたけど、クライマックスでは涙をすする音が漏れる。感情移入しやすさとして、完成度の高さが素晴らしい。笑いと涙のミックスね。
構成として良くできているなと思ったのは、対比のさせ方
主人公の仕事はフォードの工場工→息子はトヨタの営業
主人公は白人主義者的な古いアメリカ人→隣の家はアジア系(しかも少数民族)
歳老いた主人公(しばらく教会も行ってない)→妻がお世話になっていた若い牧師
など、古い人間としての主人公の輪郭があって、それがだんだんと変化していく様は静かなダイナミズムを感じざるを得ない。
もう一度見ても飽きない、素敵な映画です。