りとすら

書きたいことがあんまりありません

『暴走するセキュリティ』

暴走するセキュリティ (新書y)

暴走するセキュリティ (新書y)

 『論座』で連載されていた「ホラーハウス社会を読む」(06から08)に加筆修正を加え、萱野稔人との対談もついています。


 「凶悪犯罪は増加していない」「子供の犯罪は凶悪化してない」など、新書っぽい知識もあるけど、それくらい知ってるwww
 ただ、いろいろと勉強になる点は多いのは、そこらへんの死刑関係の本よりも感情論抜きだからか。なるほど刑法39条で、どうか決まるんね。

心神喪失者の行為は、罰しない。心神耗弱者の行為は、その刑を減刑する。
―――刑法39条

 で、心神喪失って精神科医しか判定できないのね。それおかしいじゃん司法の手じゃないじゃん。っていう。
 しかも精神科って「物語を紡ぎだす」のをメインとしているから、必然的に警察・検察の仕事である「動機作り」に参与することになってしまう。


 次のポイント。
 セキュリティの強化は、民意の反映。民意としては体感治安が悪化してるのはまー報道のせいだよね。んでそれを積極的に利用する。権力側への要求として。
 この権力への要求のポイントが理解しづらい・・・ごめん頭悪くて。





 39条のポイントはわかりやすかっただけに悲しい・・・
 「権力の両義性」と萱野との対談でやっとターム化されるんだけど、これを早く出せと。小一時間。
 体感治安に関しては、どうにもしようがないな。「人はおおむね自分で思うほどには幸福でも不幸でもない」ってのは通用しねーかんな。幸福とか不幸ってのは主観的でしかねーから。