りとすら

書きたいことがあんまりありません

食わず嫌いしちゃダメ「姑獲鳥の夏」

文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)

文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)

 京極夏彦を食わず嫌いしていたのですが、いまさら読みました。


 ぼくはよく、友達と本屋をウィンドウショッピングというのをやるんですが、そのときリア友にお勧めされたもので興味ある本は買うようにしてアンテナを広げています。
 やーね。何年かぶりに、睡眠時間を削って読書したわ。ありがとう。



 推理小説自体がエンターテイメントの一形式でしかないけど、その歴史的洗練に伴ってミステリでも内面や精神世界や哲学できるっていうことは、発見だったのかな。哲学とか精神世界ですら、人生にとってはエンターテイメントにすぎないけどさ、それでいいと思う。
 合理主義的世界と非合理主義的世界の融合は、僕の大学時代以降のテーマでもあるので、これからも考えていきたい。


 トリック自体はぶっちゃけどうでもよかったりするのは、ミステリの読み方それ自体が読み手にとって千差万別だからなんだろーかな。
 読み手によっては「ドグラマグラ」や横溝正史の匂いも感じられるし、清涼院に受け継がれるキャラクター小説としても読める。
 批評は「読解の層」に切り込んでいけるし、読み手の無意識のフィルターに関与できるわけだわ。