りとすら

書きたいことがあんまりありません

綾瀬はるかしか、見るところがない『ICHI─市─』

たったひとりで旅を続ける市は、同じ盲目の女がチンピラたちに襲われていても、助けるそぶりすら見せない。そこへ現れたのは、藤平十馬。市にも襲いかかろうとするチンピラたちの前に勢いよく立ちはだかったものの、手が震え、戦うどころか刀を抜くことさえできない。返り討ちにされそうになった瞬間、男たちを斬り殺したのは市。か弱く見える市は、十馬の助けなどいらないくらい強かった。迷惑顔の市に話しかけながら、十馬が後ろをついてくる。誰にも関わりたくない市と、誰かに関わりたくて仕方のない十馬。正反対の二人は、やがて万鬼堂というチンピラたちに荒らされている町にたどり着く。そんな二人に、仮面の男・万鬼が残虐な牙を剥く…。


知らない人はいないと言っても過言ではない日本を代表するダークヒーロー“座頭市”が、ヒロインとなって帰って来た!孤独の中で生き、近寄る者を斬り捨て拒絶することしかできない盲目の女・市を演じるのは、『僕の彼女はサイボーグ』『ザ・マジックアワー』とヒット作に出演が続く綾瀬はるか。刀を抜けない侍・十馬役には、初の本格時代劇への出演となる大沢たかお。その他、柄本明竹内力杉本哲太などが脇をかため、新旧俳優陣の圧倒的な存在感が白熱する。監督は、『ピンポン』など最先端のVFXを自在に操る世界的な映像クリエイター曽利文彦
―――2009年4月3日(金)DVD&ブルーレイ発売 レンタル同時開始! 「ICHI」公式サイト

 これを見ると、いかに北野武座頭市』が面白かったのか再確認させられた。


 綾瀬はるかは綺麗だし可愛いんだけれど、もっとダークなヒロインがよく似合う。『百夜行』みたいな。
 大沢たかお綾瀬はるかが心を通じ合うという配役も無理があるし、敵のボスが中村獅童というのもありきたりで微妙。
 同じ時代劇モノなら、断然『あずみ』のほうが面白いのは、プロットのせいでもある。殺陣のクオリティも段違い。


 「目が見えないから外界(現実)との接触を断つ」という綾瀬はるか演じる座頭市は、きわめてチープなメンヘル自閉の典型例にしか見えないことに加え、チープすぎるが故に批評性を持たない。
 キャッチコピーが「なに斬るかわかんないよ、見えないんだからさ」だったので北野武座頭市』なみに斜めから見た社会というモノを見せてくれるかと思いきや・・・『市』ではただの男女の関係からの自閉からの展開というところに落ち着いてしまっている。
 ビラいわく、「誰といても、いつも、ひとりぼっち」の解消。世界への可能性。というところ。「愛が見えたら、きっと泣く」だなんて笑わせてくれる。
 これ時代劇でやってもつまんなくね。現代劇でやってくれなきゃテーマ生きてこないでしょや。


 ひさびさに窪塚洋介が見れたので、クボヅカファンとしては満足です。あと、こんなしょぼい映画にも関わらず柄本明は凄いな。まことに残念ながら、劇中で存在感が一番あったwww

結論

 窪塚洋介のファンの人は見てください。
 それ以外の人は北野武座頭市』か『あずみ』を見て下さい。