りとすら

書きたいことがあんまりありません

お茶汲みが上手な人は尊敬に値する

そんなとき、その業績悪化が始まる直前に寿退社したOLがいることに気付いた。そのOLはお茶汲みくらいしかしてなくて、抜けたくらいで経営に打撃が与えられるとも思えない。しかし他に原因らしい原因も見当たらないし……ということで、経営陣はこのOLさんのところを訪れて、とにかく話を聞いてみることにした。

元OLさんは「たいしたことはしておりませんでしたが……」と遠慮がちに自分のやっていた仕事を語りはじめた。

まず茶葉を仕入れて来ると、それを一度全部あけて、葉と茎に分別する。誰よりも早く会社に着き、全員の机をきれいに拭く。

そして出社して来る社員たちの顔見ながら、一人一人にお茶を淹れる。

このとき、少し元気が無さそうな人を見付けたら、前もって分別しておいた茎をお茶にちょこんと立ててやるのだそうだ。そう、茶柱を立てておくのである。

「私のやっていたことはそれだけです」

退社した女性は、そう答えたそうだ。

 沸騰したてのお湯で客用の茶を出すような採用担当の女子社員はくだばってしまえ。と思いながら就職活動をしていました僕です。お茶に失礼だし、客に失礼。(分かんない人は淹れ方を覚えてください。僕においしいお茶を入れて下さい。お願いします→http://www.yamaei.net/ocha/recipe/index_manual.html)
 こまごました日常の作業のなかに何かひらめきが生まれると思っているので、僕は自分でコーヒーを淹れるし、お茶もわかすし、時には梅昆布茶を楽しんだりしている。結婚したら、妻に無言でお茶を入れてあげたいと密かに思っているくらい。軽く「お疲れ」とか言って。


 そういったゆったりとした時間を大切にしないと、いつか日常に食い潰される気がしてならない。食事も掃除もティータイムも、すべて大切な人間の要素。
 とくに日本茶は二度楽しめるので好きです。一番ゆったりできる。でもコーヒーを上手に淹れられないので、まだまだ修行中の身であります。