りとすら

書きたいことがあんまりありません

みんなにグループディスカッション・ワーク(GD・GW)の型を教えるよ!

 先日、選考に関係するグループディスカッションを初めて体験したんだけど、コンサル業界は会議の型がしっかりしてるのか、とても楽しかった。で、その型っていうのは実際の会議の縮小版、いわばプチ職業体験なのかな、と。
 ちょっとマニュアルくさいけど、その辺は柔軟に組み替えて利用してほしい・・・

はじめに

 1、討議内容について些細な筆問でもあれば面接官に聞くこと。
 テーマの設定の自由度はGDによって異なるので、細かくチェックする必要がある。とくにコンサル業界なんかであれば「ゼロベース」での試行が要求されるので、多少アクロバティックな質問をすることも大切。


 2、進行の役決めをする。
 「でしゃばりすぎるな」とはよく言われるGDなんだけど、きちんと結果を出すためには「会議の型」に従うことが重要になってくる。そのための第一歩。

 「司会(リーダー)」・・・ディスカッションの司会進行を一手に受け持つ。他の2つの係と連携を取るのが重要。出しゃばって自分の意見を貫くのはNGで、みんなの意見を幅広く取り入れたプランニングを練ることが主な使命。みんなの活発な参加を促すリーダーはLeaderであって、皆をゴールに導くのを主眼に動く。ゴールとはもちろん、時間制限内に結論を出すこと。
 「タイムキーパー」・・・時間を管理する人。時計にストップウオッチやタイマー機能が付いてる人がいると楽にできる。GDは時間内に集約させることがなによりも大切なので、話が脇道にそれそうな時には、時間を言って制止するのも大切。
 「書記」・・・みんなの意見を共有するため、また最終プレゼンのため話の内容を書き留める。「これをやると自分の意見が言えなくなるからやるな」っていう話もあるけど、重要ポイントだけ書いていけばいいので、話を聞くのが得意な人は向いているかも。

議論開始

 1、時間配分をする
 ゴールをチーム内できちんと確認した上で、時間配分を行う。
 ただやみくもに、「20分考えて、10分でまとめる」っていうのでもいいんだけど、こういった時間が限られた中で時間制約を頭に入れたまま議論ができるのは、一部のディベート経験者のみなので*1、できればより詳細に「5分定義の確認、ブレインストーミングして、各自自由時間5分、そののち各自の発表、まとめは10分で」っていうくらいやるべき。

 
 2、定義の確認
 ゴールを確認する。これに時間をさくのはもったいない気もするんだけど、実は一番重要。提出された問題の定義をチーム全体で共有しないと、無駄な時間をさくことになり、結局遠回りをしてしまうため。
 ゲームで言うと、「クリア条件」を確認する。シミュレーションゲームでクリア条件を確認しないで無駄な敵を倒す馬鹿はいない。
 

 3、ブレインストーミング
 これは業界にもよるかもしれないんだけど、いわゆるブレストってのをやる。

○量を重視する
イデア創出の段階では、質よりも量を重視する。一般的な考え方・アイデアはもちろん、一般的でなく新規性のある考え方・アイデアまで、あらゆる提案を歓迎する。
○批評・批判をしない
多くのアイデアが出揃うまでは、各個人のアイデアに対して、批評・批判することは慎む。個々のメリット・デメリットなどの評価は、ブレストの次の段階で行う。批評・批判については、各自メモをとるなどしておく。
○粗野な考えを歓迎する
誰もが思いつきそうなアイデアよりも、奇抜な考え方や、ユニークで斬新なアイデアを重視する。新規性のある発明は、たいてい最初は笑いものにされる事が多く、そういった提案こそを重視すること。
〇アイディアを結合し発展させる
別々のアイデアをくっつけたり、一部を変化させたりすることで、新たなアイデアを生み出していく。この過程こそが、ブレインストーミングの最大のメリットである。

 書記役だけでなく、できれば参加者個人もマインドマップを作っていくと、その後の自由思考時間が有意義なものになりやすい。

表現したい概念の中心となるキーワードやイメージを図の中央に置き、そこから放射状にキーワードやイメージを繋げていくことで、発想を延ばしていく図解表現技法。この方法によって複雑な概念もコンパクトに表現でき、非常に早く理解できるとされ、注目され始めている。 人間の脳の意味ネットワークと呼ばれる意味記憶の構造によく適合しているので、理解や記憶がしやすい。


 4、自由思考時間
 普通の会議なら「持ち帰って各自次回のミーティングまでに考えてくること」ってことになるけど、GDはそんな時間がないので、わざとこういう時間を作る。
 基本的に無言で、それぞれのマインドマップから連想される単語や解決策を練る。各自で集中すること。思いつきや発想を重視して、「これは現実的には無理」と考えずに作業すると良い。なぜなら、そののちのグループでの作業中に案と案が融合して、欠点を無くしてくれる場合があるから。
 自分なりの発想を伸ばすことが大切。


 5、各自発表
 進行役は各自にプランを聞いていく。それを書記はメモする。往々にして、みんながやっと自分の意見が言える場だと思って、各自の発表時間がながくなるので、はじめに持ち時間を決めて、タイムキーパーが死守していくと良い。
 もし、ポストイットがあれば各自で書いておく。それをグルーピングして貼っていくとタイムロスが少なくなる。


 6、人の話を聞き、自分の話をする
 やっと討議の時間。コミュニケーションの基本だけど、人の話を聞いてから、自分の意見を言う。そのとき意見を無駄に対立させるんじゃなくて、意見のすり合わせをするように心掛けると印象が良い。
 チーム全体の意見の良いところを抜き出して形にしていく作業。ここで奇跡の融合を図れ!

まとめ

 1、最終プレゼンのためにプランをまとめる
 いままでの議論をまとめて、自分たちのチームがどういう結論に至ったのかをまとめる。書記のメモが大切で、発表者(スピーカー)はこの時点で決めるのが妥当だろう。
 なぜかといえば、発表をするのは、その意見の大本となったひとがやるとわかりやすいから。


 2、発表のフォロー
 発表内容をスピーカーが理解しているかみんなで確認する。スピーカーがポカしないように、みんなでフォローしてあげよう。


 3、発表
 スピーカー以外はできるだけしゃべらないほうがいい。また役割分担をして、スピーカーを複数人にするという裏技もある。そのときの議論内容を考えてみんなで決めること。

振り返って

 なんか、いかにもマニュアルくさいんだけど、最低限の型は守らないとゴールにたどり着けなくなるのでね。特に日本の学生は、ディスカッションを口喧嘩とか討論会のように思いがちだけどそんなことはない。
 いかに効率よくみんなの思いつきを奇跡まで昇華していけるのか、ということを頭の片隅にでも入れておければ、とても面白いディスカッションになるはず。


 場を正論で制圧する戦法は、ぶっちゃけ誰でもトレーニングすればできるようになる。でも企業はそんなワンマンプレイはもとめてなくて(だって独り相撲なら、会社入んなくていいじゃん)協調性だとか柔軟性、発想力なんかを発揮したい。それが意味のある「会議」を作り上げていく。


 まあ所詮、グループディスカッション・グループワーク(GD・GW)でしか使えない、会議の型の基礎の基礎だけど、みなさんには建設的な議論を望みます。


 「脱構築!」とか言わないように。*2

*1:ディベート経験すると、ボクサーのように時間を意識できるようになる

*2:コスト意識の視点から見れば、会社の管理職になればなるほど、意思決定を行うための方法として会議の業務における比率が高まる。でも、無駄な会議をすることで管理職の時間単位の高給をロスしているとすれば、とてつもなく人件費の無駄になる。だから日本では「稟議書」が発明されたのかもしれない。日本的無駄会議を回避するために