ぼくが一番嫌いな感想文は「胸糞悪い」です。母が日常的に使うんですが、特に槍玉にあげられるのが、女性を貶め入れているモノに対しての酷評。今日も「レンブラントの夜警」に対して嫌悪感を示して帰ってきました。→レンブラントの夜警
日経の映画欄で最高評価なんだけどな・・・
趣味に対して理性的である必要はないけど、好きな人がいるかもしれない公共性のある場で「おれ、おまえのこと生理的に嫌いなんだよね」っていうやついないでしょ。それと同じ。
感情的にむかつく、ということはあるかもしれませんが。
―――ネット書評は作家の「営業妨害」になるか。 - Something Orange
- 作者: 沙村広明
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2007/12/18
- メディア: コミック
- 購入: 27人 クリック: 839回
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最初からざっと読んでいて気分が悪くなり、最後まで目を遠さずにいたのですが
中盤などで何か別の展開が(救いというか)あるのかと再度手に取ったものの
たいして印象が変わることなく、処分しました。
残念です、作者のあとがきも含めて。
着物を描くのがめんどくさくなったのなら動物でも描いていればいい。
おひっこしや無限の住人が好きで楽しみにしていたのに、がっかりでした。
僕としては作品自体の完成度は80パーセントってトコだと思うんだけど*1、それでもねー。
また、この話は構造的にも秀逸で、二度三度見返すことによって解釈が変わってきたりする。正直に告白すると、私はこの話を最初に読んだ時、ラストカットをただの「引き」の絵だと思ってしまった。二度目に読み返して、やっとその真の意味に気付き、そして、戦慄した。その瞬間、私の中でこの少女の魂が更に高潔なものに引き上げられたことを悟った。
希望と、絶望。どちらを追えど、届かない。少女たちの魂は、何処へ向かったのだろうか?
その答えは描かれることはない。ページの向こうで、我々が感受すれば良いことである。
―――ブラッドハーレーの馬車/沙村広明 - やや最果てのブログ
って言い分には納得できる。
エロティクスFってマンガ雑誌が従来の漫画雑誌ではできない表現を目指していて、それに共感を覚えた作家が参加しているんだから多めに見ろよ、と。
たとえばオノ・ナツメ好きだけど、basso名義のヤオイは読めない。
たとえば高橋しんの『最終兵器彼女』好きだけど、『世界の果てには君と二人で』収録の「LOVE STORY,KILLED.」だけは好きになれない。
たとえば浅野いにお好きだけど、「虹ヶ原ホログラフ」だけは好きになれない。*2
でもさ、マンガ好きにとっちゃあさ、それも愛すべきマンガなんだよね。
それを否定されちゃうととってもつまんなくなっちゃう。
もっとも
作り手側も人間ですので、書かれるなら宣伝になることを書いてほしいし、書評は的を射ていてほしいし、それもできることなら誉め言葉であってほしいと願っています。いいものが描けたときは話題にしてほしいし、調子が悪かった時はスルーしてほしいのです。
―――http://d.hatena.ne.jp/m_tamasaka/20080104
っていうのも一理ありますが。
僕として同じ感覚で読んでしまうのは
- 作者: オノ・ナツメ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2006/10/30
- メディア: コミック
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- 作者: 鬼頭莫宏
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2005/11
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