りとすら

書きたいことがあんまりありません

阿鼻叫喚地獄絵図

ダメだなぁ。ダメだ。ダメ。
そういわれて育ったように思います。


僕が一番したいことは、僕の個性をなくすことでした。
人と違っていたいだとか、そんなことは思いません。
ときどき人に言われますが、そんなことを言うくらいなら、
その手で僕の自意識に手をかけてくびり殺してほしい。


僕は昔、泣いてばかりいました。
何で僕が他人に受け入れられないのか
どうしてこんな自分がいるのか。
わからないことに対する不安感と自分に対する不信と
何かわからない塊のようなものに押しつぶされていたのです。


今思えば、それが自意識の化け物だったように思います。
僕が一番戻りたくない時期です。
よくもあんな化け物を飼いならして生きてこれたと思います。


今、なぜ自分のことを考えなくなったのか、自分に問いかけることはありません。
それが大人になるということなのでしょうか。
そして、あらためて問いかけることはしたくありません。
せっかく閉じた門扉を、再び開け放つことになりそうで恐ろしいからです。


自意識という化け物は、人を喰らう化け物のなかで一番強大なものです。
すべての少年少女がこの化け物を飼いならしていることを考えると
人間は強い生き物なのであると、力強く思うのです。