りとすら

書きたいことがあんまりありません

夜のピクニック

恩田陸の出世作。第2回本屋大賞受賞作品。

夜を徹して80キロを歩き通す高校生活最大のイベント“歩行祭”。3年生となり、今年が最後の歩行祭となる甲田貴子は、一つの賭けを胸にこの特別な日を迎えた。それは、一度も話したことのない同じクラスの西脇融に話しかけること。普通の人には簡単なことが、貴子と融の間ではそうはいかなかった。その理由は、貴子が親友の美和子や杏奈にさえ隠し続けるある秘密にあった。一方、妙に意識し合う貴子と融の関係を勘違いしているクラスメイトたちは、この歩行祭の間に2人をくっつけようと躍起になっていた。

ブレイブストーリーと被っているのは気のせいなのかなぁ。


「少年、少女の抱える問題とその解決」を描く作品群を青春劇と呼ぶなら
もう、俺はノスタルジーは必要としていない。
村上春樹的な純粋メランコリックか
阿部和重的な純粋クレイジーさを偏愛しているので。


まず、キャラの揺らぎがなく
「こいつはこういう性格だ」っていう共通理念があって
はじめて成り立つ物語構造を持っているのが置いてけぼりにされた。


人間って、そんな綺麗な存在じゃないよ。
ハッピーエンドってそういうことじゃないでしょう。
もっと鬱屈した未来を持つためには、
ダークな過去を背負った主人公が必要なんだと思う。