りとすら

書きたいことがあんまりありません

限界点

一昨日あたりだろうか。
すこしヒマだったので舞城王太郎を読んでいた。

SPEEDBOY! (講談社BOX)

SPEEDBOY! (講談社BOX)

「SPEEDBOY!」
2005年12月発売の「群像」新年号に掲載。(230枚)

「スピードを極限までに上げていく」
というテーマの、意欲作。

人間というものは、よく自分の限界を設定してしまうクセがあって
それは生存本能というかホメオスタシスっぽいものも絡んでて
自分のキャパを超えそうなものとかには反応を示さない。

日常的な些細な刺激には飢えているくせに
非日常的な快楽には拒否反応を示す。
自分の枠内に留まって居たいから、
「めんどくさい」といって一言で拒否する。
新しい自分に出会える可能性を自ら否定する。

一日の限界を決めてしまわず
1年の限界を決めてしまわず
限界を突破していく。
自分のなかの限界も
そのほかの限界もすべてぶち壊す。




現状に満足することのない飽くなき向上心に裏づけされた
スピードの追求にはキーワードがあった。

自分で規定しないこと。
限界を考えないこと。

他者の自分に対するイメージにも影響されるのだから
碇シンジのなかのアスカと綾波のなかのアスカは違うが
そのどちらにもアスカは拘束され続ける)
他者からもフリーになる。
誰も自己像を規定しない。

まだ図書館にバックナンバーが眠ってるから
2005年12月発売の「群像」を手にとって
舞城王太郎と一緒に自分の「限界」とやらに思うをはせてみるのも
面白い、限界突破のための挑戦になりえる。