「今まで生きてきた
すべての意味を
使うことができるんだ」
日本橋ヨヲコ
タカマサの俺に対する洞察はいつだって鋭い。
「場に馴染むことが得意」という評価。
思い返せば、同時期に成瀬に言われた。
「お前の学校に行ったヤツは大したヤツに育つよな。お前を含めて。
だってさ、会話できるじゃん。他の学校のヤツはそうはいかない」
彼は俺らのコミュニケーション能力を評価していた。
頭が良くなることも大切だけれど、
それにともなってコミュニケーション能力も向上しないとダメ。
高い知識水準で会話に幅が生まれ、
それをコミュニケーションが補助していく。完成されていく関係性。
だから俺は以前こう書いた。
「普通であれば、それだけで生きていける」
それは厳しい言葉。
「どんな人とでもコミュニケーションしていけることが普通」
という世界だから。
他人にあわせて自分の演技装置を変更し、
素晴らしい自分を演出していく。
すべては私。すべてが私。
誠実な現実が結実される。
相手に期待しすぎ。
自分の仕事をするべき。
他人を頼っていいのは、迷っているときだけ。もう卒業の季節。
削りあいではない「コミュニケーション」をとれ。
相手を理解する強度を持って。