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「ALWAYS 三丁目の夕日」VFX使用の抑制論

山崎貴が大好きだなぁ・・・と毎回思う。というわけで売れちゃってる「ALWAYS 三丁目の夕日」を見てきた。
なんか売れてる映画ってそれだけで敬遠しちゃいがちな俺ですけど、まぁ監督で選んだからいいんだと自分に言い聞かせてみました。

原作は長期連載が素晴らしい同名漫画「三丁目の夕日
物語は昭和33年の戦後13年を舞台に東京タワーをバックに抱え進行する。イベントとしては「三種の神器」やら「集団就職」っていう時代背景を意識させる原作に忠実な仕上がり。
思ったのは、「やっぱ山崎貴大好きだわ」ってこと。この監督「ジュブナイル」「リターナー」の監督でもあって、鈴木杏のファンの俺としては凄く気になってる監督なんだよね。

で、この監督は実はVFXでいろいろな賞を獲得しているらしく・・・3分くらいの試作品を役者に持っていって仕事を依頼したら、映像のおかげもあってか豪華キャストがそろいましたとさ。 [出演者]吉岡秀隆堤真一薬師丸ひろ子堀北真希小雪須賀健太 みたいな。これはヤバイでしょ。

役者の豪華さもあってかまるで舞台を見てるかのように映画が進むのは監督の意図するところであったかは定かじゃないんだけど、この監督の作品を見て素晴らしいって思うのは「VFXってこうやってつかうべきだ」という方法論を提示してくれてるところ。

最近のハリウッド映画は「凄い」「カッコいい」っていう「気持ちいいか悪いか」っていう理論を受け付けないまま話が進んで行ってついていけないんだけど、その点で山崎貴は違う。
暖かいVFXというか、使うべきところと役者に頼るべきところをきちんと理解している。その監督力が俺はとても好きだ。ブルーバックのなか役者に演技をさせているはずなのに、きちんと画になっているのは監督の技量そのものだろう。

そんな暖かい映画「三丁目の夕日」は笑って、泣けるという「良い映画」の条件を完璧にクリアーしているのでかなりの良作に仕上がっている。
日本のVFXの方がハリウッドより「良い映画」がとれるってことを実証してくれてる作品なのでかなりオススメでもあるわけだ。