りとすら

書きたいことがあんまりありません

「スクラップ・ヘブン」

[あらすじ]goo映画より引用 公式サイト:http://www.scrapheaven.jp/
警察官のシンゴは、日々のデスクワークに辟易していた。凶悪犯を捕まえて、この手で手錠をかけたい。そんな願望も、事務処理の毎日では叶うはずもなく、以前出した異動願いもどうやら上司の机の中に眠っているらしい。仕事を終えての家路。だが、その日はいつもと違っていた。バスジャックが起きたのだ。乗客はシンゴを含め、3人。目の前では犯人が人質に銃を向けている。これは!待ちに待ったシチュエーション!! しかし、シンゴは何もできなかった。何も……。3ヶ月後、3人は偶然に再会.不満のはけ口を見つけだせないシンゴは、「世の中に想像力を」という言葉に惹かれ、テツと一緒に他人の復讐を請け負うゲームを始めるのだった。

監督・脚本 : 李相日
出演 : 加瀬亮オダギリジョー栗山千明柄本明


深夜番組のあいまに見たCMが気になったので次の日に見に行った映画である。渋谷で迷子になりかけてホテル街に迷い込んだら、風俗店に入ることをためらって帰る友人を見送る男という妙な図式をみつけてしまったけど。つか、風俗ぐらい一人で行け。名言「ソープへ行け」で有名な水滸伝の作者は先週のR25に載ってたけどね。


閑話休題
テツ(オダギリ)は言う。
「テロリストだよ」と。

「想像力が足りない」
「ホームレスが銃を持つことによって
 ホームレスに撃たれるかもしれないとか思うだろ」
「振り上げた拳が自分に帰ってくるってことを実践する」
「復讐なんてのはな、俺たち皆考えてんだよ」

自分たちの現在の認識というものが如何に脆弱で役に立たず、
人間てのはなんてメンドウな生き物なんだろうなってのをあらためて実感させてくれるとともに、
やっぱそれでも生きていけってことなんだなって思う。

かっこ悪い男にとって主人公シンゴ(加瀬亮)がとても感情移入しやすく、
相方のテツもオダギリの振りキレ方が心地いい。最初にキャッチのおにーさんたちに絡むシーンがあるのだが、そこでのテツは逆立ちキックだからねぇ・・・今でも頭に残ってるけど。
ヒロインのサキ(栗山千明)は「全部を一瞬で消す方法って知ってる」とニトロを精製してしまう。
この、笑える上に人の心をかき乱すストーリーを実践して魅せた監督に拍手。

映画ってのは他人の心にしこりを残さなければ意味がないシロモノだと思うから。