りとすら

書きたいことがあんまりありません

阿部和重 ニッポニアニッポン

阿部和重 ニッポニアニッポン
を読み終えた。

あえて、言おう。
私はこの作者が好きではない…
才能とかじゃなく、しょうに合わないのだと思う。

インディウ゛ィジュアルプロジェクションにおいて、
阿部は妄想小説のある種の完成系を見せてくれたが、
ニッポニアニッポンにおいては、幼さが残る気がする。

文章というのは多くの場面において、主人公に引っ張られた記述になってしまい、
一人称での記述と第三者的記述における文体は
かなり違ったものになる。

妄想小説の分野に於いては
記述形式は主人公の主観である一人称であることが多く
それを読者が第三者的視点でみるという図になっている。

しかし、ニッポニアニッポンにおいては
読者は最初から俯瞰視点にあり
そこに違和感を感じる。

また、登場人物の記述もおかしい。
主人公がストーカーしていた桜にしても
中途半端な第三者的視点なため、変だ。

そして、作者の狙いがあからさまな萌えキャラ瀬川は
主人公に解放をもたらさない。
主人公は自分の妄想を貫くしかないのだ。
ここが佐藤的である所以なのだが。

やっぱり佐藤の方がいいや。(;´д`)ノ