りとすら

書きたいことがあんまりありません

「江上達也の歴史」現在「日露戦争物語」執筆中

江川達也は東京教育大出身で、教師の経験もある漫画家である。
彼は戦後の教育をだめにした一番の責任は団塊の世代に属する親達にあると考えていた。
食べるものも身の回りのものも満足になかった生活が
すこしずつ良くなっていったという経験をもつ団塊世代
そんな成長神話の持ち主である彼らを支えていたのは
「いい大学さえ出れば,いい生活が待っている」という学歴信仰だった。
そのために、自分の子供の尻を小さいときからたたきつづけ、
子供達はそれに耐え切れずに、いじめや暴力に走るのだと江川は考えていた。

そこで85年に,江川は「BE FREE](講談社)を発表する。
「学校はもはや若者を教育するところではなくなっている。
いまじゃいい学校を出ても幸せになれるとは限らないよ」と江川はこの作品で訴えたが、
その声は文部省や親にヘッドギアをかぶらされている若者には届かなかった。
ついで江川は、学校神話が刷り込まれる前の幼い子供たちを対象に、
88年から「まじかるタルるートくん」(集英社)の連載を開始する。
「学校の勉強よりも面白いものがいっぱいあるよ」という
作者のメッセージを伝えるために描かれた作品だったが、
これがアニメ化されるに及んで,そのメッセージ色は吹き飛ばされてしまった。

そして最後に,団塊世代の母親にむけて描かれたのが「東京大学物語」(小学館
「学歴信仰の最高峰である東大の実態は、こんなにもひどいものです」
ということを伝えるために、セックスにとりつかれた東大生を露悪的に描くが、
あまりにも過激に走りすぎたせいで、母親の心を変えることはできなかった。
こうして、漫画で教育を変えようという江川の実験は失敗に終る。」
以上 引用一部改編 参考

江上は漫画家としてはあまりにでかくなりすぎてしまった…
日露戦争物語」の読者の平均年齢は掲載誌のなかでも最高だろう。
それくらいに著名人が読む漫画家だと私は認識している。

江上はほぼ「オヤジ化」(笠井潔)してしまっている気がするが、
源氏物語」のマンガ版で少しでも日本再生に寄与するといいなと思う。