りとすら

書きたいことがあんまりありません

「いがらしみきお発言」

「物語がもう終ってしまったことに結論を出さないと
先へは進めないわけです、作り手としては。
評論家は言ってくれない、漫画はもうおわったのだと、映画も音楽ももう終ったんだと。
今残っているのはポピュラリティというか、売れるか売れないかだけになってしまった。」
いがらしみきお(漫画家) 参考

いがらしみきおと言えば名作「ぼのぼの」が最近漫画文庫化され、
買いなおしている人もいる事と思う。
ぼのぼのはアニメ化される過程で
原作の「4コマ漫画独特の読み手の時間の流れ方」が消えてしまったが
原作とアニメを別の視点で楽しめると言った点で秀逸だった。
今でもレンタルできるのだろうか?
ちなみに映画はあまりに出来が悪く、個人的にはお勧めできない。


「1994年、漫画界はひとりの漫画家の発言をきかっけに騒然としていた。
「コミックボックス」という漫画情報誌は、
いがらしのこの発言に対して寄せられた様々な意見を載せた特集号を出している。
そこに共通しているのは、「今ぼくらの漫画が死のうとしている」という危機感だ。
時間的、空間的に何処までも広がっていく漫画、圧倒的な量の前に立ち尽くす読者。
70年代、あれほど私たちを熱狂させた漫画はどこへいったのか、
かってカウンターカルチャーとして世代をまとめあげてきた漫画には
もうそんな力は残されていないのか、といった議論が誌上を賑わしていた。

かっては自分が読む漫画はみんなが読む漫画だった。
あしたのジョー」や「鉄腕アトム」は国民的漫画だった。
ところが、いま漫画は、同人誌などにみられるように、
自分だけでたのしむための個的なものになっている。
そういう意味では確かに「ぼくらの漫画」は終ったのかもしれない。

漫画がかってのエネルギーを取り戻すためには、
テーマも明確で綺麗な線で描かれた漫画ではなく、
テーマも何も無くごちゃごちゃにぶちこまれたカオスのような漫画こそが
必要なのかもしれない。」
以上引用 一部省略

やはり漫画の世界でも「蛸壺化」が問題になっていて東浩紀の「郵便的不安」に通じ
攻殻の「スタンドアローン・コンプレックス」につながるんだろうと思う。
本当に漫画は死んだのだろうか。
・・・やはり死んだのだろう。